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電気自動車を買うなら必須 便利なV2Hって何?

普及が進んでいる電気自動車へ、乗換を検討している方は多いのではないでしょうか。その電気自動車をさらに有効活用できる「V2H」をご存じですか?今回は注目のシステムであるV2Hについて、詳しくご紹介します。

 

V2H充放電設備とは?

V2Hとは「Vehicle to Home」の略で、電気自動車にためた電気を、家庭でも使用できるようにするシステムのことです。通常、電気自動車は充電することはできても、電気自動車から電気を送ることはできません。V2Hは、その電気のやり取りを可能にするシステムです。

V2H充放電設備は、電気自動車と住宅の分電器を繋いで、V2Hのシステムを使用するために必要な機器です。最近では、日中に太陽光発電で作った電気を、電気自動車に充電できる製品も販売されています。

 

V2Hを構成する2種の機器と担う役割

V2Hシステムを使うには、V2H機器と電気自動車の2つが必要です。基本的に、V2H機器自体には蓄電機能はありません。「クルマから家へ」というコンセプト通り、V2Hを利用するには電気自動車が必要となり、車が蓄電池としての役割を担います。

V2H機器は、「EV用パワーコンディショナー」とも呼ばれ、電気を変換する役割があります。電気自動車にためられる電気は「直流電気」と言い、家庭ではそのまま使用できません。V2H機器を通すことで、家庭で使われる「交流電気」」に変換する必要があるのです。

 

V2H機器の5つのメリット

V2Hを利用することは、さまざまなメリットがあります。具体的にどのような点があるのでしょうか。

電気代が節約できる

日中に車を使用する場合、電気料金が安くなる深夜帯に充電することで電気代の節約が可能です。また日中に外出しない場合は、電気自動車にためている電気で、家庭の電気を賄うことができます。

また、太陽光発電を利用できるV2H機器の場合、自然の力だけで電気がためられるので、電気代が実質0円になることもあります。

停電など災害時に安心

災害などで停電した際、電力会社の復旧を待たずに家庭で電気を使うことができます。万が一の非常時に備えて、最近はV2Hの利用を検討する人も増えています。

電気自動車の高速充電が可能

V2Hは家庭用200Vコンセントに比べ、充電時間が約半分で済みます。コンセントでのフル充電に8時間かかるところが、V2Hなら4時間程度でたまります。いざ車に乗ろうとしたときに「十分に充電できていない」、という心配を減らすことができます。

蓄電池よりも蓄電容量が大きい

一般的な家庭用蓄電池の容量は小さいもので3~5kWh程度。大きいものでも10~15kWhほどです。電気自動車は小さくても10kWhはあり、大きいものでは40~60kWhと、蓄電池に比べ圧倒的に大容量です。

補助金が利用できる

エコな社会の実現のため、国は電気自動車の推進を後押ししています。そのため電気自動車やV2H導入には、補助金が利用できるのです。さらに、自治体によっては、独自の補助金制度を設定しているところもあります。国と自治体の補助金は併用可能なので、地域でどんな補助金があるか調べてみましょう。

 

導入前にしっかり押さえておきたい注意点

ここまでは利点ばかりが続いていましたが、V2Hにはデメリットもあります。導入する際、どんなことに注意すべきかも、しっかり確認しておきましょう。主に大きく2点が挙げられます。

電気自動車の購入が必須

V2Hは、電気自動車を蓄電池として利用するため、電気自動車の購入が必須になります。そのため蓄電機能でみれば、家庭用蓄電池に比べて購入コストはかかってしまいます。また電気自動車もV2Hに対応した車種でないと使えません。車種が限られてしまうので、購入時には注意が必要です。

蓄電池が劣化する

V2Hのデメリットで特に知っておきたいのが、蓄電池の劣化です。蓄電池は性質として、充電と放電を繰り返すことで、劣化してしまいます。劣化すると最大容量が減少していき、使用時の電気の減りは早くなってしまいます。

電気自動車のバッテリーは家庭用蓄電池よりも耐久性はあると言われていますが、劣化しないわけではないので使用回数や保証などを確認する必要があります。

 

<まとめ>

V2Hは導入に少々コストはかかりますが、補助金も利用でき、大容量のため費用対効果は高いと言えるでしょう。導入後は家庭の電気代も節約でき、環境に優しいのも魅力的です。何より非常時に備えられる点は、日々の生活の安心に繋がります。

車をよく利用する場合は、電気自動車とV2Hの導入を検討してみてはいかがでしょうか。