エネルギーや省エネのこと

まだ間に合う!補助金を生かしてV2Hを導入しよう

V2Hの導入には補助金が出ることを知っていますか。V2Hは高額で導入をためらってしまいますが、上手に補助金を使えばかなり負担が軽くなります。今回は補助金の種類や申請のプロセスなど、詳しくご紹介します。

V2Hの補助金制度とは?

V2Hの補助金制度とは、V2Hの導入にかかる費用の一部を、交付される補助金で補填できる制度です。V2Hの導入には電気自動車とV2H機器の2つが必要になり、コストがかかりますが、補助金を活用することで出費を抑えられます。

補助金を出す目的

V2Hの導入を国が後押しする理由の一つが、環境への配慮です。V2Hは電気自動車を蓄電池として利用するシステムです。環境に優しい社会実現のため、補助金を出すことでガソリン車から電気自動車への乗り換えを促進することが目的です。

また、災害の多い日本では停電のリスクも高いです。V2Hの導入を促進することで、災害対応力の向上も期待されています。

補助金の種類

補助金にはいくつか種類があり、その種類によって申請方法や期間、金額などが異なります。

V2H補助金には4つの種類がある

V2Hの補助金は、国と自治体を合わせて全部で4種類あります。そのうち国が一般社団法人、経産省、環境省の3種類。あと1つは各自治体が独自に設定しているものです。

経産省のものはすでに今年の受付を締め切っていますが、それ以外は現在申請を受付中です。

CEV補助金

一般社団法人次世代自動車振興センターが公募している補助金です。「CEV」とはクリーンエネルギー自動車(Clean Energy Vehicle)の略で、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車(PHV)などの購入に活用できます。上限は40万円で、車種によって計算方法や金額が異なります。

V2H補助金

環境省が公募している補助金です。電気自動車とV2H機器を同時に購入することが条件で、車は上限80万円、V2H機器は上限75万円まで補助されます。(申請締切:10/29予定)

※環境省補正事業全体の申請期限は12/28(火曜日)ですが、再エネ100%電力調達と車両の導入とあわせて、外部給電器・V2H充放電設備の申請も行う場合は10/29(金曜日)が申請期限となります。

自治体ごとの補助金

自治体はV2H補助金を設定しているところと、ないところがあります。さらに都道府県で補助金の設定がなくても、市町村で独自に設定している場合もありますので、ぜひ居住地域の情報をチェックしてください。

また、国の補助金同士は併用ができませんが、国と自治体の補助金なら併用できる場合があります。

<自治体別の補助金例>

・東京都

太陽光発電システムを持っている東京都民で、都内に対象のV2H機器を設置する場合、本体費用の1/2(上限30万円)が補助されます。

・神奈川県

神奈川県内での設置が前提で、電気自動車・V2H機器・太陽光発電システムをすべて導入する場合、V2H機器に補助が出ます。電気自動車をすでに持っていても、V2H本体の1/4(上限20万円)が補助されます。

・埼玉県

戸建ての自宅へ蓄電システムやV2H機器を導入する場合、5万円が補助されます。

・千葉県

市区町村でそれぞれ補助金を設定しています。銚子市や市川市では、蓄電池の設置に10万円の補助金が出ます。

詳細な条件や対象等については、各自治体のサイトをご確認ください。

申請方法はどのようにすればいいの?

申請方法は下記の手順で進みます。

  1. 交付申請書類をそろえ、窓口に提出

*10/29の期限までに不備や不足の内容に準備をして提出。予算等の事情により早めに締め切られる場合もあります。

  1. 交付受付ならびに審査の実施

*申請から約1~2ヶ月ほどかかります。

  1. 交付決定後、補助金交付決定通知書の発行
  2. 通知書が届いたらV2Hの工事に着手

*原則は「補助金交付決定通知書発行日以降」の工事開始であることが基本です。交付決定前に工事に着手した場合は補助の対象外となることがあるので注意しましょう。

⑤ 設置工事完了・支払の完了

⑥ 実績報告書類の作成・提出

*実績報告書は2022年1月31日までに提出すればよいのですが、最終受付日前後は提出が集中するため、支払い完了から30日以内を目安として提出することを推奨します。

⑦ 再受付・審査および交付の確定

⑧ 補助金額の確定通知書発行

⑨ 補助金交付

*設置したV2H充放電設備は5年間の保有・運用が定められています。

申請する時に注意すべきことは?

申請は手続きが煩雑です。特にどのような点に気を付けるべきでしょうか。

申請しようとする補助金が自分の条件にあっているか

補助金はそれぞれ条件や対象が異なります。個人と法人で条件が異なったり、太陽光発電システムの有無で申請できなかったりとさまざまです。きちんと条件を確認しておきましょう。

また、国と自治体どちらの補助金も、条件や金額は毎年変わります。申請を検討する場合は、各サイトなどで必ず最新情報をチェックしてください。

受付申請期間は間に合うか

補助金の申請受付は先着順です。補助金は予算額が設定され、申請額が予算に達したところで受付を早期に終了することが多いです。利用を検討している場合は公募日程を早めに確認し、余裕を持って申請を進めましょう。

書類に抜け漏れはないか

補助金の申請には多くの書類を用意する必要があります。提出する前に、書類がすべて揃っているか確認しましょう。書類に不備があった場合、申請が受理されなかったり再提出などでさらに時間がかかったりすることがありますので注意が必要です。

<まとめ>

V2Hの導入には多くの補助金制度が用意されています。補助金は高額が交付されることもあり、上手に活用すれば半額ほど費用が抑えられることも。自分に合った補助金がどれかチェックして、効率的にV2Hを導入しましょう。

これはどこかに入れておいてあげると良いかもです。

令和2年度第3次補正予算(環境省事業分)における補助対象車両・設備の補助見込み額

http://www.env.go.jp/air/cms_a-taiki_s1/ichiran_moe.pdf

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記事執筆参考

エコ発:https://www.eco-hatsu.com/article-solar/v2h/45071/

エコ電池:https://ecodenchi.com/post-2129/

一般社団法人 次世代自動車復興センター:http://www.cev-pc.or.jp/local_supports/kanto.html

経済産業省:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/cev/cev_hojokin.html